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痛風の痛さは、一般的に「風に触れても痛い」という表現で知られていますが、これは典型的な場合です。実際には痛さにうめき、身動きできないほどの痛さのこともあれば、比較的軽い痛みですんでしまうこともあります。
痛風発作はいたいとはいっても、病気全体から見れば氷山の一角、ほんの表面的な現象です。その裏には、はるかに根の深い高尿酸血症という病気の広がりが潜んでいることを忘れないで下さい。心臓、腎臓、脳などに障害が忍び寄っていても、初めのうちは症状が全く無いので気づかないのです。
痛風の痛みは、高尿酸血症という火災の発生を知らせる火災報知機のベルなのです。これに気づいたら、火災の広がらないように治療しなければならないのは当然と考えれてください。
だからといって、痛風を恐れることはありません。世の中には、人のからだを襲う病気は無数にありますが、それらの中でも痛風は、よっとも直し易い病気のひとつです。
医師に言われたことを守って、きちんと養生すれば、二度と痛みの発作に襲われてることもありません。発見しやすく、診断もつきやすく、治療も優しいこの病気は、一病息災の典型ではないでしょうか。なにかひとつだけ病気にかからなければならないとしたら、私は迷わず痛風を選びます。痛風はむしろ「明るい病気なのです。」
私ごとで恐縮ですが、実はわが家のむこ殿が痛風にかかりました。30歳の誕生日を迎えた直後に、足の親指に痛みがでました。本人はスポーツをよくやるので、「ひょっとして捻挫かもしれないな」などといっていました。痛みはびっこをひくぐらいで、休業しなかったようでしたが、痛風を疑って検査したところ、血中尿酸値は8.7mg/dlでした。幸い今のところ、合併症は見つかりません。そして会社社長である父君も、痛風を治療中であることがあとでわかり私はほほえましいできごとぐらいに感じたのですが、そのお嫁さん(つまり私の娘)は、夜の奥方たちと同じく、病気についてうじうじと気にするので、私はいいました。
「それはわるいことではない。痛風になるくらいだから、仕事はばりばりできる人だとわかったし、これでもう、ほかの病気にはかからなくてすむよ。」
そこで、むこと約束をしたのです。「もし、食事療法などの自己管理だけでこのまま発作がでないようなら、希望どおり薬はつかわないでよかろう。しかし、何度もいたくなるようなら、薬の治療が必要になる。今後は定期的に尿酸値を調べるのだよ。」
その後も2~3回同じところに発作が起こりましたが、会社へいける程度の軽症状だったようです。しかし尿酸値はいつも高く8.5~9.6mg/dlだったので、3年後、本人が十分納得したところでユリノーム25グラム、ウラリウム2グラムの服用を始めました。これで尿酸値は5.0~6.3mg/dlとなりましたが、薬をきらすと尿酸値はもとの高値に戻るので、すぐにわかってしまいます。
いまのところ、軽い肥満と中性脂肪が時々高いこと以外には、合併症はないようです。治療を続けることにより発作は起こらず、副作用もなく、適度にアルコールをたしなみつつ順調に生活しています。

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